闇子ちゃん 第6話 ~偏りちゃん~

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「才能とか一言で言われたくない!私は努力しているんだ!」

・・・という言い回しがよくあります。

 

それに対して

「努力できるのも才能です」

・・・という言い回しもよくあります。

 

「生まれつき何かに特化した身体能力を持っていてそれを生かしてすごいことをする」

「身体は普通だけど超がんばってすごいことをする」

両方とも才能で、それは偏りから生まれます。

 

前者は「特化した身体能力」が偏りです。

例えば生まれつき背が高くて、バスケ部を優勝に導いたというようなことです。

 

後者は「超がんばった」が偏りです。

例えば一日20時間勉強して東大受かったというようなことです。

 

こういうのはわかりやすい才能&偏りです。

どちらもポジティブな偏りからポジティブな結果が生まれたということです。

 

漫画に描いたのはそのどちらでもなく、ネガティブな偏りからポジティブな結果が生まれるということです。

 

闇子ちゃんは病的に気にしい、闇太郎くんは反社会的と、ネガティブな偏りを持っています。

 

 

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 これらは生まれつきのものではなく、がんばって手に入れたものでもありません。

主に環境によって身についてしまった悲しい偏りです。

 

闇子ちゃんは何度か漫画に描いているように厳しい親から、闇太郎くんも何かネガティブな環境にさらされていたのでしょう。

発達障害でネガティブな感情が抑えられないというパターンもありますが、ここでは割愛します。)

 

ネガティブな偏りはなるべく無くしたほうがよいとされることが多いです。

世の中はいろんな「普通こうだろう?」で作られていて、それに合わせると生きやすいようにできているからです。

 

中学を卒業したら高校に行くのは「普通こうだろう?」だからです。

年収100万の男性よりも年収400万の男性のほうがプロポーズしてOKもらえる率が高いのも「普通こうだろう?」だからですし、

人を刺したら刑務所に行ってつまんない作業をさせられるのも「普通こうだろう?」だからです。

 

学歴を身につけて、ちゃんと収入を得て、人を刺さないほうが生きやすいですね。

  

しかしネガティブな偏りを持っていると、偏りが邪魔をして「普通こうだろう?」に沿えません。

 

そういう人がうまいことやっていく世渡り術が才能だと私は考えます。

 

闇子ちゃんの場合、「気にしい」の偏りが「細やかなサービス」という才能に転じました。

 

 

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のんき君は偏りなく普通なのでサービスも普通です。

 

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「気にしい」とは主に「自分が他人にどう見られているか」を気にすることです。

自分が悪く見られることが超ーーー苦痛なのです。

そして他人に超ーーー気を使います。

でもそのほうが客へのサービス力は高まります。

 

自分を守るためにサービスをするの?客のためにするのが良いサービスじゃないの?となるかもしれませんが、どっちも一緒です。

自分のためにやったことで他人が喜ぶというパターンは多いです。

人気漫画家に「人気の秘訣は?」と聞けば「自分が面白いと思う漫画を描くことです」と言うでしょう。

 

でも「気にしい」を「細やかなサービス」という才能に変換したところで、他人を気にし続ける部分は変わっていないので、辛いといえば辛いままです。

 

でも才能は辛さとセットです。

 

人気漫画家に「休みなくて辛いですか?」と聞けば「辛いです!でも充実してます!」と言うでしょう。

 

次に闇太郎くんの場合、「反社会的」の偏りが「人気ミュージシャン」に転じました。

 

 

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のんき君は偏りなく普通なので曲も普通です。

 

 

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「反社会的」というと犯罪やる人というイメージですが、それはただの結果です。

本質は「普通こうだろう?」と違う人たちのことです。

「普通こうだろう?」の集まりが社会なので、それが守れないから反社会的というだけです。

 

例えばミュージシャン、漫画家、○○屋(古着屋とか)でもいいです。

こういう人たちは毎月の収入が一定ではありません。

100万円のときもあれば0円のときもあります。

で、メジャー契約したり雑誌に連載したり大きな取引先を得ると、ある程度一定の月収になります。

でもうっかりするとすぐまた一定じゃなくなります。

 

世の中で仕事をしている人は大半がサラリーマンです。

 

サラリーマンは毎月の収入がけっこう一定です。

毎月の収入が一定じゃないのがおじいちゃんになるまで続く呪いをサラリーマンにかけると、おじいちゃんになる前に狂います。

 

あと、サラリーマンは仕事が決まっています。

 

決まっているというのは、例えば美少女アニメを作る会社だったら美少女アニメ製作につながる仕事を、老人をだましてウソ健康食品を売る会社だったら老人だましにつながる仕事をするということです。

美少女アニメを作る会社で老人をだます仕事はあまり発生しません。

 

けれど、闇太郎くんの仕事は決まっていません。

曲を作るのが主な仕事ですが、これは何を作ってもいいのです。

自由です。

 

そのかわり変なものを作れば月収が0円になり、良いものを作れば100万円になります。

変とか良いとかは誰だかわかんない買う人が決めることなので、自分ではよくわかりません。

よくわかんない誰かの変or良いジャッジで毎月の収入が0円とか100万円とかに変動する呪いをサラリーマンにかけると、これまた狂います。

 

つまり、こういった一連の生活をできている時点で闇太郎くんは異常者です。

これが「普通こうだろう?」と違う人たち=反社会的ということです。 

 偏りが良い曲を作る才能に転じたという以前に、生活全てが偏りでありそれをできることが才能なのです。

 

 

また、「普通こうだろう?」と違う=偏りなので、日常においても普通と違う行動、偏った行動に出ることがあります。

 

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闇子ちゃんみたいな人が不登校やひきこもりになったり、ミュージシャンが薬物で捕まったりすると結構悪く言われます。

 

「普通こうだろう?」と違うからです。

 

学校や仕事に行かないのは「普通こうだろう?」と明らかに違いますし、法律は「普通こうだろう?」を集めてマニュアル化したものだからです。

 

でも、彼らの「普通こうだろう?」と違う=偏りがあったからこそ、細やかなサービスや名曲が生まれたわけです。

 

偏った人が偏った行動をしただけです。 

たまたま偏った行動が不登校や薬物だったというだけです。

学校には行けてるけど家でバッタ焼くのが趣味だったり、薬物はやらないけどカマキリ煮るのが趣味という偏りだったかもしれないのです。

 

細やかな他人への気遣いもみんなの心を動かす芸術も不登校も薬物もバッタを焼くのもカマキリを煮るのも全部偏りです。

良い偏りだけやって悪い偏りはやらないといういいとこ取りはできないのです。

 

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社会に出れなかったり法律を破ったりは確かにあんまりいいことではないです。

でもそれが絶対に悪だとは私は思えません。

悪だとみなして責めすぎて偏りがなくなることで失われるものはたくさんあります。

偏った本人が、悪い偏りを避けようとしすぎて良い偏りを発揮できなかったらかわいそうです。

 

 

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闇子ちゃんは今まで出会った病んでる人や偏った人がモデルです。

うちの妻もその一人です。

現在私は妻と二人でお店をやっておりけっこう順調です。

それは全て妻の偏りから来る才能のおかげです。

 

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そしてやはり辛さとセットです。

 

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  私は偏りとか才能とかがあるのかはわかりませんが、41歳の現在まで一度もサラリーマンをやったことがありません。

つまり月収が0円だったり100万だったりは日常でした。

それに対して特に不安を持ったことがないので、まあ反社会的で異常者なのでしょう。