闇子ちゃん 第5話 ~キャンディーちゃん~

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小さな頃強烈に不足していたものは、ずっとひきずります。

闇子ちゃんは母親の愛情に不足していたので、その後のんき君にいくら愛情をもらっても満たされないのです。

「今」の「のんき君」ではなく、

「あの時」の「あの人」のキャンディーが欲しいのです。

そして「あの時」には戻れないのです。

 

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でもこういう部分は誰にでもあります。

みんな満たされない部分は我慢するか代わりの何かで満たしています。

あきらめるということですね。

 

しかしこの漫画のように、あきらめきれない場合には2つ理由があります。

 

1つは、「あの時」キャンディーをもらえなかったことがとてもとてもとても辛かった場合、

もう1つは、今でもキャンディーをくれなかった「あの人」と距離が近い場合です。

 

闇子ちゃんはビシビシ責められながら育ちました。

キャンディーはもらえません。

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とても辛かったのです。

本来キャンディーがもらえるはずの場面でももらえなかったような子です。

 

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1つめの「あの時キャンディーをもらえなかったことがとてもとてもとても辛かった場合」ですね。

 

もらえるところでもらえないのは理不尽です。

理不尽はトラウマを形成します。

この一連の経験がトラウマになっているのです。

 

※ちなみに「トラウマ」は「ショックなこと」というカジュアルな意味合いで使われることが多いですが、本来はPTSDやパニック障害につながるような深刻なものを指します。

強力なショックを受けた場合だけではなく、長い期間にゆるーく攻撃を受け続けた場合にも、トラウマに近いものが形成されます。 

 

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もう1つの、「今でもキャンディーをくれなかったあの人と距離が近い場合」ですが、これは毒親アダルトチルドレンでよく見られる関係性で、成長してもお互い物理的もしくは心理的に距離が近くなりやすい、ということです。

簡単にいえば、子離れができないor親離れができなくなりやすいということです。

 

理由は、毒親は子供を支配、コントロールしようとします。

 

これは毒親は本質的に自信がない人なので、弱い立場の子供にマウンティングもしくは依存することで自分を保ちます。

この延長が子離れができないということです。

 

そして子供の側は、マウンティングされれば自信が無くなり、依存されれば親を見捨てられなくなり、どのみち親離れができなくなります。

この関係を共依存といいます。

 

 

sugiyan1192.hatenablog.com

 

 

子離れor親離れができなければ、成長しても親子の距離は 近いままです。

するとどうでしょう、目の前に親がいるから、今日こそはキャンディーをもらえるかも!と期待してしまいますね。

あきらめられなくなり、いっそうもらえなかったキャンディーに執着してしまいます。

 

ただ、これはそのままの「キャンディーが欲しい!」という行動としては表れません。

 

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このように無意識の執着、「離れればいいのに離れられない」という形がほとんどだと思います。

基本的には、30~40代の男性でいえば就職や結婚をして自立、10代中~後半の女の子であれば反抗期、それぞれ親と距離ができるはずです。

しかし親の側がそれをさせない、あるいは本人がそれをしないのです。

無意識なので気づきづらいです。

 

さらに、毒親は子への支配やコントロールが上手です。

100日のうち99日はキャンディーをあげなくても、1日だけ気まぐれでキャンディーらしきものをあげるのです。

100日のうち100日キャンディー無しならまだあきらめがつきます。

1日だけキャンディーもらうともう離れられませんね。

次ももらえるかも!と思ってしまいます。

なんかソシャゲのガチャみたいですね。

99%ハズレでも1%当たりがあるからガチャにはまってしまうという。

 

この99:1の法則はいろんな依存症にも見られます。

 

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sugiyan1192.hatenablog

 

 

 結婚したり自立したりして家を離れても、なんだかんだ理由をつけて干渉を止めない毒親は多いです。

干渉がいけないことと意識している毒親ならば、「あなたのためを思って」という言葉を使い、断れないよう罪悪感をくすぐってくるかもしれません。

 

いずれにしても心配性や甘やかしとは明らかに異なった「子離れができないor親離れができない」です。

 

「子離れができないor親離れができない」の一例として、ヘリコプターペアレントという言葉もありました。

 

www.huffingtonpost.jp

 

漫画には描いていませんが、闇子ちゃんがもし結婚してからも母親がグイグイ干渉してきていたとしたら、

「のんき君×闇子ちゃん」であるはずのカップリングが

「母親×闇子ちゃん」のカップリングになります。

 

すると当然、

「のんき君がキャンディーくれた!」<「お母さんがキャンディーをくれなかった…」

・・・と、なってしまいます。

 

 漫画ではのんき君は闇子ちゃんが満足しなくても、おじいさんになってもキャンディーをあげ続けます。

 

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・・・が、実際にこれができる人はまれです。

「あの時」の「あの人」のキャンディーを欲しがり続けることは、闇子ちゃんだけでなくのんき君まで不幸にしてしまいます。

 

親子関係だけでなく、昔の恋人、子供の頃の夢、過去の選択、みんながこの「あの時キャンディー」を持っています。

みんな戻れない過去のことが頭にあるのです。

だからタイムマシンでやってくるドラえもんが国民的キャラクターになったのかもしれません。