闇子ちゃん 第2話 ~点思考と線思考~
ちょっと漫画はごちゃごちゃしてしまったので、例を出すと・・・
ウツボは基本的に気持ち悪いですね。あまり食べようとは思いません。
しかし、仮にあなたが小さい頃、一緒に暮らしていたやさしいおばあちゃんがウツボ好きで、よくウツボフライやウツボかば焼きを作ってくれたとします。
大好きなおばあちゃんの料理、それだけでおいしいです。
実際にも、見た目が気持ち悪いだけで、味もそれなりにおいしかったのです。
・・・で、これによりウツボ好きになりました。
ここで誰かがこう言ったとします。
「ウツボ好きなの!?うわ~」
これは点思考です。
「そんなことあったんだー。なら好物になるかもねー。」
これは線思考です。
「ウツボ好きなの!?うわ~」に加えて
「ウツボ好きとかきもい!」
・・・と、発展させてきたらこれは点否定です。
この点否定をされることによって、あなたはやさしいおばあちゃんもその手料理も否定されたと感じます。
自分の過去や経験は言い換えれば人生の一部ですね。
それを否定されることは、人生つまり人間性を否定されるのと同じです。
これが繰り返されると、常に自分は人として間違っている、だからみんなから責められている、といったような思考パターンになります。
自分の人間性は常に否定されるものだ、という刷り込みですね。
ここで問題なのは、点否定をする側は点であなたを見てしまっているということに気づきづらいことです。
どういうことかというと、
「ウツボ好きなの!?うわ~」
「ウツボ好きとかきもい!」
この発言自体は間違っていないのです。ごく普通の発言だからです。
ウツボのことはみんなきもいと思ってます。
ポイントは、自分のウツボ好きの歴史、つまり線の部分を相手が知っているかどうかです。
例えば、定食屋で一人で焼きウツボ定食を食べていたとします。
ちょっと離れた席のカップルが、
「あの人ウツボ食べてる~きもいww」
・・・と言っていたとします。赤の他人です。
まあ、ショックはショックですが、その一方で
「ま、まあ、普通はきもいって思うよね・・・」
・・・と納得する部分もあると思います。
一方、通っている習い事の先生で、すごく頼れる人で、つきあいも長くて、悩みとか何でも話していて、とても安心できるような相手に
「うわウツボ食べてる。きもいな~。」
・・・と言われたら、赤の他人のカップルの比ではないショックを受けますよね。
赤の他人のカップルと、この先生の違いは、
「思い入れ」と、
「私の歴史をわかってくれる」という期待感です。
で、全人類に共通である、頼れてつきあい長くて悩みも話せて安心できて、思い入れがあって自分のことわかってくれると期待できる相手が・・・
親です。
これが、この漫画で描いた点否定で抱える闇です。
親から点否定をされ続けることで闇を抱えるようになります。
最も点否定をされたくない相手なのです。
ちなみに、 「やさしさ」や「思いやり」とは線思考のことです。
相手が何かNG行動をしたとき、そのNG行動という点で判断するのではなく、なぜNG行動をしたかという線で判断し、対応するのがやさしさです。
このコマ、「体調悪いから学校を休みたい」というNG行動に対し・・・
「ダメ!」
「さぼるの!?」
「なまけ者!」
これは点思考ですね。
何で学校休みたいかという線を考えて・・・
「ちょっと疲れがたまってたのね」
「おなか弱いのにずっと休まなかったもんね」
が、線思考です。やさしさです。
実際休みにOK出すかNG出すかはあんまり関係ないです。
やさしくされるともうちょっとがんばろう、と思えることもあるのです。
この味噌汁をこぼすというNG行動でも・・・
「味噌汁こぼした!バカ!」
は、当然点思考ですね。
線思考でいくと、取りづらい位置にしょうゆがあった上に、そもそもしょうゆ取ってと頼んだのは闇母のほうです。
「ごめんね、自分で取ればよかったね」
が、正しい線思考ですね。
漫画だと親子ですが、これは人間関係全てにあてはまることです。
みんながこの線思考でいければ、世の中はもっとやさしくなります。
・・・が、みんなそんな完璧じゃないし、イライラしてるときもあるし、反射的に何か言っちゃうときもあります。時々点思考になるもんです。
と、点思考をされたとき相手の立場に立って考えるのもまた線思考なのです。
線思考は、点否定されたときに自分を守る使い方もできるのです。
ぜひ取り入れてみてください。
ちなみに、この漫画のラスト
・・・とは、わざと子に対して点否定をする親もいる、ということです。
少し例外的な内容ですが、次回以降また更新します。